神籬石

KOTAN

2026-08-04

神籬石

淡路島の山あい、淡路市柳澤に鎮座する岩上(いわがみ)神社。

細い山道を進み、石段を上った先に現れるのは、社殿を見下ろすようにそびえる一つの巨石です。

この巨石は「神籬石(ひもろぎいし)」、あるいは「ひもろぎのお岩さま」と呼ばれています。

神籬とは、神を迎えるための神聖な場所を意味します。

社殿が建てられるよりも前、人々は山や森、滝、巨石など、自然そのものに神の存在を感じ、祈りを捧げてきました。

岩上神社の神籬石もまた、いつから信仰されてきたのか、その始まりは明らかではありません。

ただ、これほど大きな岩を目の前にすれば、古くから人々がそこに人の力を超えた何かを感じてきたことは、自然なことのように思えます。

岩上神社が現在の形になったのは、室町時代と伝えられています。

当時この地を治めていた人物が、大和国の石上(いそのかみ)神宮から御分霊を迎え、布都御霊(ふつのみたま)大神をお祀りしたことが始まりとされています。

また、現在の本殿は、大和国の龍田大社から譲り受けたものと伝えられています。

石上神宮から神を迎え、龍田の地から社殿を受け継ぐ。

淡路島の山中にある神社が、大和国の由緒ある古社と深くつながっている。その歴史には、どこかロマンを感じます。

一方で、岩上神社については、伊弉諾神宮の奥宮ではないかと語られることもあります。

しかし、実際に宮司へ確認したところ、その説については明確に「違う」との回答を得ました。

伝承や想像が広がりやすい場所だからこそ、事実と、後から生まれた物語とは分けて捉える必要があるのでしょう。

岩上神社の神籬石の前に立つと、人が建物をつくり、言葉で神を説明するよりも前から、自然に祈りを捧げてきたことを感じます。

説明できないからこそ、畏れる。
人の力では動かせないからこそ、敬う。

岩上神社は、岩や森、その場所全体に神を感じてきた、日本人の古い祈りの姿を今に伝えています。

※岩上神社は、伊弉諾神宮から車で約10分の場所にあります。

ただし、神社へ向かう道は細く、対向車とのすれ違いが難しい場所もあります。参拝される際は、周囲に十分注意しながら、ゆっくりとお進みください。


松陰

同敷地内に隣接する研修施設も併用可能です。ぜひご相談ください。

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