2026-01-14
ヒルコとエビス
1月10日、十日戎に参拝してきました。
今年からいろいろ思うところがあり、朝一番の御祈祷からのスタートとなりました。
境内に満ちる祈りの中で、えびすさまと淡路島とのつながりを、あらためて思い返していました。
国生み神話において淡路島は、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)が最初に生んだ「日本のはじまりの島」とされています。
実は、神々を生み始めたおふたりの間に、最初に生まれた神が水蛭子(ヒルコ)でした。
ヒルコは未熟な姿で生まれたため、葦の船に乗せられて海へと流されてしまいました。
そのため、二神の子には数えないとされています。
そんな悲しい物語ではありますが、いのちが終わる物語であると同時に、新しいいのちへと向かう旅の始まりであったのかもしれません。
やがてヒルコは成長し、「エビス」となって西宮の地へとたどり着いたという説があります。
それは「再生」や「よみがえり」の象徴としても読むことができます。
淡路島には今も、えびす舞や淡路人形浄瑠璃といった、ヒルコ・エビス信仰に根ざした伝統芸能が息づいています。
神話は物語として語られるだけでなく、文化となり島の暮らしの中で大切に受け継がれてきました。
十日戎で御祈祷を受けながら、淡路島という土地が持つ「福のはじまり」の記憶と、「よみがえり」の物語を、静かに感じるひとときとなりました。


