2026-03-11
ひな人形と祈り
古淡の玄関では、季節ごとにしつらえを少しずつ変えています。
春にはひな人形、初夏には五月人形、年のはじめには鏡餅。
その季節に訪れてくださった方が、淡路島の時間の流れとともに、その時々の古淡を感じていただければと思っているからです。
いま玄関には、ひな人形を飾っています。ひな祭りの起源のひとつとされるのが「流し雛」という行事です。
3月3日に紙などで作った人形に災厄や穢れ(けがれ)を移し、川や海へ流して子どもの無病息災を願う風習で、古くからの禊(みそぎ)の思想と平安時代の「ひいな遊び」が結びつき、現在のひな祭りへとつながったとされています。
現在も鳥取県の用瀬や京都の下鴨神社などで流し雛の神事が受け継がれています。
禊は、日本神話にも語られています。国生みの神である伊弉諾尊が海で禊を行い、そのときに天照大御神などの神々が生まれたという物語です。
穢れを祓い、新しいものが生まれる——日本の文化には、そうした祓いと再生の思想が流れています。
古淡では、こうした日本の季節のしつらえや文化を通して、この土地に流れる時間や物語を感じていただければと思っています。
訪れる季節ごとに少しずつ表情を変える古淡を、楽しんでいただければ幸いです。


