2026-05-19
鶺鴒石
奈良時代に編纂された『日本書紀』の国生み神話には、こんな異伝が記されています。
イザナキとイザナミは、はじめ交わり方を知らなかった。
そこへ一羽の鶺鴒(せきれい)が現れ、尾を上下に振る。
その姿を見て、二神は交合の方法を知り、やがて国を生むことができた、というものです。
なお、この話は『古事記』には記されていません。
神でさえ知らなかった「はじまり」を、一羽の小さな鳥が教えた。
そう考えると、自然の中にすでにある営みに気づくことの大切さを、そっと示しているようにも思えます。
古淡のまわりでも、その姿を見ることや、鳴き声が聞こえてくることがあります。
また古くから、この鳥は「良い兆し」や「神の使い」とも言われてきました。
その姿にどこか目が留まるのも、偶然ではないのかもしれません。
淡路島には、こうした伝承を今に伝える場所も残されています。
おのころ島神社にある「鶺鴒石」も、そのひとつです。



